コースマネジメント実践

【2つのコースマネジメント】

さて、ここまでGame1とGame2について、それぞれ詳しく見てきました。ここからは、実際にコースでマネジメントを実践するための方法を考えて行きましょう。スコアアップするためには、

・平均飛距離を上げる[Game1]

・平均3打エリアを広げる[Game2]

の2つの方法しかありません。また、平均飛距離が上がっても、平均3打エリアが下げってしまってはスコアが変わりません(または下がってしまうことも頻繁にあります)ので、この2つのGameのバランスがとても重要になります。

ではまず、ゴルフにおける2つのマネジメント方法を見て行きましょう。図の左は[飛ばせ近づけマネジメント]と呼ばれるもので、アマチュアゴルファーの大半の方が採用しているマネジメント方法です。ティーショットでは一番飛ぶクラブでなるべく遠くに飛ばし、グリーンに届きそうな距離になれば、とにかくグリーン(またはピン)に近づけようと試みます。

この方法はとにかくボールを飛ばしてピンに近づければいいので、あまり難しいことを考えなくても実行できるというメリットはあります。しかしGame1で無駄な飛距離を出してしまい、多大なリスクを負う可能性が大きくなります。また赤の傍線で示している[近くて難しいエリア]に行ってしまうリスクが高く、Game2で3打エリアを稼ぎづらいというデメリットあり、スコアアップの観点からあまりお勧めできるマネジメント方法ではありません。

 

一方、図の右は[グリーン逆算マネジメント]と呼ばれるもので、どこからグリーンを狙うか(どこからGame2を始めるか)を先に決め、その決定から逆算してGame1を組み立てる方法です。この方法は、飛ばせ近づけマネジメントでは避けることが難しかった[近くて難しいエリア]

 

図:左・飛ばせ近づけマネジメント

右・グリーン逆算マネジメント

に行くことが少ないので、平均3打エリアを稼ぎやすいのが特徴です。また初めからどこからグリーンを狙うかを決めているので、無駄な飛距離を出してしまうリスクも少なくなるというメリットがあります。最大のメリットは、失敗した際にその原因を追求し、次はどのようなマネジメントをしたらいいかをフィードバックすることができる点です。

ただ、この[グリーン逆算マネジメント]は習得が難しく、その習得には、コース上の[遠いけれども易しいエリア]を見つける技術や、G1からの高い3打率などの条件が必要です。これらの条件を満たし、無駄な飛距離を狙わず3打エリアを稼げるよう、1日も早くグリーン逆算マネジメントを身につけましょう。

 

 

【グリーン逆算マネジメントの実践】

グリーン逆算マネジメントでまず重要なのは、ホールの全体像を把握することです。特にパー4・パー5ではGame1とGame2のバランスが重要であることを先述しました(パー3は基本的にGame2から始めます)。自身の各クラブの平均飛距離・各エリアの3打率と、ホールの全体的なレイアウト(OBやハザード、林や木、FWやラフなども含む)を合わせて鑑み、「何打でどこまで飛ばして、どのエリアからPar3を始めるか」を決めます。

図:Game2以降の各エリア

具体的には、まず先に「どこまで飛ばせるか」ではなく、「どこからGame2を始めたら良いか(どこから3でH.Oさせに行くべきか)」を決めます。ピンポジションを含むグリーン上やその周りのレイアウト等と、自身の各エリアの3打率を考え、Game2を始めるエリアを仮決定します。

 

その後に、自身の平均飛距離を鑑みて、先ほど自身で仮決定したエリアまで飛ばせるのかどうかを考えます。エリア周辺のレイアウトを考えたときに、十分に狙えそうであれば、ルートが決定です!

図:Game1とGame2のバランス。真ん中の線がその2つを分ける境界線

 

そこでもし、「OBも浅いし、ちょっとそこまで飛ばすのは難しいのではないか?」また「いや、風もフォローだし、もう少し先のエリアへ飛ばせるのではないか?」などと考えた場合は、またGame2を始めるエリアを修正し、やはりその後に飛ばす距離を変更します。

 

例えば、350yのパー4で、G1まで250yほど飛ばすのが理想なホールの250yを地点に池があったとします。その場合、無理にG1を狙うのではなく、220yほど飛ばして、残り130yのG1’から狙う方が得策かも知れません。

 

また、ある女性のG1’(90〜120y)からの3打率が非常に低い場合、2打で残り60yまで飛ばせばいいと考え、ティーショットは170y、セカンドはUTで120y、と考えるかも知れません。このように、レイアウトの配置や全体像と自身の飛ばしと3打エリアの実力を Game1・Game2の擦り合わせることは、最適なルート設定には必要なプロセスになります。

 

 

【長いホールと短いホールのマネジメント】

ゴルフには主にPar3・Par4・Par5がありますが、それぞれの[距離が長いホール]と[距離が短いホール]には、共通する特徴があります。ゴルフにはホールレイアウトの規格が無いとはいえ、短いホールを簡単にしてしまうと、極端に易しいホールになってしまい、長いホールを難しくしてしまうと、やたらに時間のかかるホールになってしまいます。それを避けるために、コースを設計する側はこの辺りを配慮し、レイアウトの決定を行っております。プレーヤーはその特徴を予め理解しておけば、マネジメントの決定に大きな助けとなりますので、それぞれ見て行きましょう。

短いホール(男性ならPar3が100〜150y、Par4なら250〜350y、Par5なら450〜500yくらいでしょうか?)は基本的に、パーオンさせることを前提に作られます。ただ、ティーショットが曲がってしまった場合や、グリーンを外してしまった場合に、そのままボギー以上のスコアになってしまうケースが多くなります。また、うまくパーオンしてもグリーン上の傾斜が強く、距離がそれほど無くても簡単には2パットで上がらせてくれません。つまり[3打エリアが稼ぎづらい]レイアウトの特徴があります。具体的なマネジメントは、Game1では曲がらないクラブでG1まで飛ばし、G1から3でパーオンさせることを目指しましょう。

 

逆に長いホール(男性ならPar3が150〜200y、Par4なら350〜450y、Par5なら500〜600yくらいでしょうか?)は、パーオンしなくてもアプローチやパッティングで取り返せるレイアウトが多いです。Par4のセカンドなどは長い距離が残ることが多いですが、グリーン周りの易しいエリア[G2]を見つけて、Game2の2打目・3打目勝負が功を奏します。

 

当然、長いホールなのにグリーンが小さくてバンカーが多い場合や、FWが狭くてティーショットが難しく、ドライバーが使えないホールも存在するでしょう。そのようなホールはとても難しいホールになりますので、やはり自身の実力を鑑み、マネジメントを変えていく必要があります。

 

いかがでしょうか?[グリーン逆算マネジメント]の習得は簡単ではありませんが、常に[2つのゲーム]特に[どこからGame2を始めるか]という視点でコースレイアウトを見る癖をつければ、初見のコースでも「あの辺りかな?」とアタリがつけられるようになります。根気よく取り組みましょう。